Coleoptera 甲虫目  ←ココ! 

 Polyphaga カブトムシ亜目(多食亜目)

  Staphyliniformia ハネカクシ下目

    Staphylinoidea ハネカクシ上科

     Staphylinidae ハネカクシ科

      Aleocharinae ヒゲブトハネカクシ亜科 


Order Coleoptera Linnaeus, 1758 甲虫目[鞘翅目(しょうしもく)] (英名:Beetles)

Tenomerga yamato ヤマトナガヒラタムシ
Tenomerga yamato ヤマトナガヒラタムシ

 甲虫類は世界中から約37万種を超える既知種が記録されている非常に巨大な分類群であり,動物界最大の(もく)として知られている.昆虫は全生物種のおよそ6割を占めるが,甲虫目はその内の4割も占めることからも,その多様性を窺い知ることができるだろう.

 

 世界中のあらゆる環境に適応しており,その食性や生態なども多岐に亘る.生活環境は陸上から水中まで幅広いが,完全な海中および空中生活者は発見されていない.テントウムシなどの益虫も知られているが,圧倒的に害虫として知られる種が数多く包含される.


 カブトムシのような大きい昆虫という印象が先行するが,実際には体長が数ミリほどの小型種が大半であり,中には0.25ミリ(ムクゲキノコムシ科)しかない種も存在する(久松, 1985).逆に大きな種では体長が160ミリ(カミキリムシ科,カブトムシ亜科)ほどにもなることが知られている(Beutel & Lawrence, 2005)

 

 形態的な特徴として,外骨格は強くキチン化しており,外部に露出した膜状の羽が殆どの場合において見られない(Beutel & Lawrence, 2005).また,左右の上翅は中央部で重ならずに会合する点なども挙げられる.甲虫の中には美しい金属光沢を有する種も含まれるが,黒色や褐色といった地味な色彩を呈するものが多い.

 

 また,本目は卵,幼虫,蛹,成虫という成長過程をもち,完全変態を行う.なお, Coleoptera(甲虫目)という語は「鞘状の翅(羽)」* を意味することから,鞘翅目(しょうしもく)と呼ばれることもある.

 


 甲虫目は下記の4亜目に分類されている.今回解説するヒゲブトハネカクシ亜科は,この中のカブトムシ亜目に含まれる.ナガヒラタムシ亜目は甲虫の中でも原始的なグループを含んでいる.


Archostemata Kolbe, 1908(写真参照) ナガヒラタムシ亜目(始原亜目)

Adephaga Schellenberg, 1806 オサムシ亜目(食肉亜目)

Myxophaga Crowson, 1955 ツブミズムシ亜目(粘食亜目)

Polyphaga Emery, 1886 カブトムシ亜目(多食亜目)

 

*ギリシャ語で-pteraは翅を意味する.

〈参考文献〉

*[]内は山本が適当な邦題や論文内容を記した.

Beutel, R. G., Lawrence, J. F., 2005. 4. Coleoptera, Morphology. pp. 23-27. In: Coleoptera, Vol. I. Morphology and Systematics (Archostemata, Adephaga, Myxophaga, Polyphaga partim). Handbook of Zoology Vol. IV, Part 2. Arthropoda: Insecta (ed. by Kristensen, N.P. & Beutel, R.G., vol. ed. by Beutel, R.G. & Leschen, R.A.B.). De Gruyter, Berlin, New York.[甲虫目の形態を,成虫,幼虫,蛹に分けて丁寧に解説している]

 

久松定成, 1985. ムクゲキノコムシ科上野俊一ほか, 原色日本甲虫図鑑 (II): 238-239. 保育社, 大阪.


 

Campsosternus nobuoi ノブオオオアオコメツキ
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Sintor dorsalis intermedius ハスジヒゲナガゾウムシ対馬亜種
Sintor dorsalis intermedius ハスジヒゲナガゾウムシ対馬亜種