ウィンクラー装置は簡易ベルレーゼ装置として知られている.この装置は調査先などでも持ち込めるように小型・軽量化されたタイプである.
装置の仕組みとしては,ハネカクシなどの昆虫を含めた土壌生物は乾燥や光を嫌がる性質を利用したもので,ウィンクラー装置は主に土壌資料を乾燥させて,これらの生物を抽出する方式を取っている.装置内部には土壌資料を詰めたメッシュ袋が吊り下げられており,時間の経過と共に乾燥土壌を避けた虫がこの袋からこぼれ落ち,受け皿となるプラスチック製コップ内に採取される.コップ内に適度に湿らせた布やティシュなどを入れておけば,生きたまま昆虫を回収することができる.回収は数時間ごとにまめに行い,虫同士の共食いなどの影響を最小限に留める必要がある.メッシュ内の土は定期的にかき混ぜ,乾燥を促進させる.